33億6000万円

話す大人です

マーベル未履修者シャン・チー見たよ

シャンチーをみた。twitterで評判良かったから(日々の情報の9割をtwitterで得ている)
ただ「評判良い」という前提で見に行くと良いところ探しちゃうから先入観なき視聴とはあまりならないのが難しい つぎはフォロワーの知らない映画を紹介してください(ぼくのときは漆原教授の知らない先生を紹介してください そんな人は知らん)

「唐人街探偵」のときと同じく予告編もWikipediaも一切見ない予習なし(タイムライン受動喫煙は少しある)状態で行ったんだけどボロボロのボコボコに泣きました。手叩いて笑った。面白かった。
ウェンウー近辺にボロカスに泣かされたが……

まだ見てない方には相当お勧めでした。主な理由は以下

・笑い所と泣き所がドスドスある 2時間ちょっとがあっちゅう間
・アクションっぽくもファンタジーぽくもあり、基本的にスカッと見られる
・「おかあさんとおとうさんが愛し合ってあなたたちが生まれました」以外の恋愛要素ゼロ 異様に仲良しの男女がただの異様に仲良しな2人組
・テンションの上げ下げがかなりジェットコースター(さっき観客を泣かせたり悲鳴をあげさせたネタで直後に笑いを取ってきたりする)なので、最近全話公開してtwitterを席巻したゴールデンカムイが気に入った人の心とかにはだいぶクリーンヒットするんじゃないか
・英語中国語の混合でストーリーが進むが、英語の使用単語が多分そこまで難易度高くなく、発音や喋りの速さも含めてかなり聞き取りやすい(気がする)のと、中国語のときは英語字幕と日本語字幕が両方出る。言語の訓練として結構よさそう
(前者は設定として英語ネイティブ(英語母語の英語話者)以外のメインキャラクターが多く、そのキャラクターたちが英語をしゃべるからだと思いますが、個人的には嬉しい作りでした)
・マーベルのこと何も知らんでも普通に単体の映画として観られる(マーベルって何か私知らないのでこれは間違いない)(パズドラコラボでキャプテンアメリカってひといたけどあれがマーベル?マーベルの何?レベル)(マーベルのこと知ってたらもっと面白かったのかな)

 

以下はすべてネタバレ、いくつかのブロックに分けて感想を書きます 一度しかまだ見てません ときどき加筆してます

 

シャン・チーとケイティ(そしてシャーリン)

シャンチーとケイティ、2人の冒頭10分が最高すぎてまずここで全部”理解”った………ちょっとイケてなくて図体でかく気のやさしいチャーミングな男の子(ポスターの100万倍かっこかわいい)とクレイジー超絶おしゃべり最高女のバリバリ悪ノリニコニコフレンドシップだということが デンジャラスドライブとカラオケオールが最高すぎてガッチリつかまれちゃった カラオケボックスで寝落ちてるときショーンがケイティにもたれてるのいい……お互いの体格が全然違うことなんか気づいてもないし一応女の子/男の子だしなとかぜ~~んぜん思ってない感じ 
てかケイティ役の人演技メチャクチャうまくない?????

というかロマンスにならない男女のベストフレンドが見られるよ、と聞いたのが見に行くと決めたほぼ100%の理由だったが、シャンチー(ショーン)とケイティは思った以上にべったりだった。ちょっと予想を超えていた。
同じところに就職して日中いっしょに働き(多分「趣味の運転を楽しみつつ一緒にヘラヘラしてられるから」みたいな互いという「ダチ」を就職の理由にしてないか?)毎日のように片っぽの家に上がり込んで朝飯もいっしょに食い、2人でサイコーの夜を過ごす。
マ~ジで四六時中つるんでいた。こっわ まあまあ大人になってそんなともだちおるか?ふつう みんな実はおるんか?

わたしが何となく持っていた感覚として、コンビないし何らかの2人組がロマンスの文脈に押し込まれないときって、上手く言えないけどほかにもお互いつるんでる人間が一杯いて、人間関係が”2人の世界”で閉じてない……とか、お互いを大事にしてはいるけどある程度ドライ……とかそういうところへ落とし込まれてるから(あるいは肉体関係を持った程度じゃ友情は崩れんしセックス=恋愛じゃないよという文脈)という気がしてたので、割と閉じた2人組でここまでべったり(立派になっていくまわりに取り残されるように2人で一緒にいるし…)でロマンスへ行かなかったのは、ケイティとシャン・チーのあいだでそれが当然のことだからだし、それを維持する努力が多少なされているんだろな~とも思った。
このふたり男男でも女女でも交際しようと思えばできる関係性ではあるもんな それをしないというのは彼らの中に選択肢がないか、選択しないという選択をしているわけで
絶対まわりにメチャクチャからかわれながら過ごしてきてるし……ヘンテコ女といじめられっ子のコンビでさ……からかわれなくたって異性コンビが超絶受けがちな扱いというのがあって、一緒にショッピングに行けば試着室でもアクセサリー屋でも店員に「カップルでお揃いがお勧めですよ(2つ買え)」とか「おい彼氏買ってやりなよ~」とか言われてるに決まっている カラオケ店員に勝手にカップル割を適用されたりしている こればかりは絶対やられている
そういう中で「わたしら友達やから」ってある種の反骨精神がごとき意識や意地、線引きははっきり持っているかもしれないし、またそう思っていたとしても「そんなことわざわざ思わんでもわたしら友達やから」とも同時に思ってるんだろうな~と勝手に想像したりしました。
反抗心も線引きも何もなくナチュラルに当然にただのBFFだったらそれも本当にうれしいが………………シャンチーの情緒はケイティが育てたところも大いにありそうなものなので姉とか親みたいな感覚も少しあるかもだし

MCUシャン・チーとケイティはなぜ「恋愛」にならなかったのか、監督の思いに拍手 - フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信
監督のインタビュー フィクションにこういう夢みたいにうれしい関係があること、うれしいと思う……(トートロジー
ショーンにしてみれば多分人生初の友達がケイティじゃないかと思うんだけれども、周りとか見て「相棒」「ニコイチ」みたいになった信頼関係のある男女でどっちかがもう片方に惚れちゃってイケると勘違いして無理やり迫って無限にひどいことになる例を結構現実で観測してきたので……ケイティとシャンチー、まぶしくてつらかった……ロマラブイデオロギー、ぶっ殺していこう………まあ「まわりがあんなに言うからいっぺん付き合ってみっか?」で一日で「ちげーーー!!やめやめ!!!」って一瞬で友達に戻る2人もありな気もするけど……
いや……ショーンみたいな……信頼関係を裏切るみたいに告ってこないしそれを「人間として好きになっちゃって」とか恥ずかしげもなく言い放ったりしない(じゃあ友達のとき何として好きだったんだよ)、距離感近すぎで互いに思いやり深い最高の友達でいられる異性の友達……いるけど良い友達……ただ唯一無二まで行くのはむずいよね……

2人の関係が察せるひとこととして、バスで絡まれたショーンをかばってケイティが「ケンカしそうに見える?」て言いだして助け舟ぽいの出すの全員ウケたと思うんですけど私もちゃんとバカウケした。ケイティ、10年つるんでるダチの身体の厚み見てる? メチャぶあついが??(でもあのシーンと言いconfusion作戦を鉄骨の上の大ピンチでも繰り出せる(歌が歌えるということはこわくて声が出ない、とかじゃない)シーンと言い彼女の胆力には本当にビビる)おっとりニコニコの友達だったんだろな~~どんなにでっかくなってもそんなにでっけえなと思わなかったんだろうな。守ってあげようといつでも思えたんだろうな……そもそも人を殴れるようなやつじゃないという、そういう認識だろう。ショーンがショーンでいた間、ずっとおっとりニコニコかわいいケイティのオモロイ親友でしかなかったという事実、それこそが幸運そのものであり祝福である。抱きしめていこう……そしてこの「ケンカしそうに見える?」の感覚は余裕でマカオまで引き継がれ(?)、ケイティはシャンチーの負けにベットして路銀を確保するのだった ちゃんちゃん
「話は機内で聞く」はかっこよかった~。無理に詮索したり自分の意見をやたら言ったりはしないけど、絶対捕まえないとマズいというときはちゃんと逃がさない……おしゃべりな親友、現実だと余計なこととか自分の話とかしすぎなことがしばしばなので範としようと思う、イチおしゃべりとして 


バスジャックからの運転にしろドラゴンの首元へ放たれた矢にしろ、ケイティがしっかり相棒ポジションに収まって足手まといとかじゃなく不可欠な要素なのすごくありがたい。バーでのシーンを見る限り相棒というより相方だが(掛け合いのテンポがよすぎる)
てか彼女、バークレー出身はヤバすぎるでしょ そりゃ親も泣くしダチも説教するよ アメリカの労働市場は新卒至上主義じゃないけど……でもこういう頭よすぎ・面白すぎ・陽気者すぎ・パワフルすぎてクレイジーゴナクレイジー扱いされるサッパリした女が超高学歴なのは死ぬほど納得感ある。勉強できるに決まってる喋り方だし(ポカホンタス系と日本なら揶揄されそうでヤだな……とも……)
ケイティはなんでもそこそこハイレベルにできるからこそ「自分の能力で極めたいことやりたいこと」を見つけたり探したり決めきったりできなかった、結局それは最後まで解決していない。友達をずっと手助けするよ、という方向に落ち着いたのかもしれないけど うーん それもまた自己実現

しかし14~15歳で脱走したシャンチーは以降の10年を比較的平和に過ごしているので、戦闘の訓練というか第一線からは相当離れていたはずだから、ある程度なまってはいたのか? それにしてもどうやってひとりぼっちなのにアメリカの学校に普通に通ってたんだろう?

これを考えるにつけシャンチーに輪をかけてスゲーのはシャーリンだと思わされるわけですが……まず武術に関して見よう見まねであそこまでいったシャーリンやばくないか?すごすぎる あの戦闘スタイルというか武器は結局メチャクチャ役に立ったね……
そして組織を編成・運営する力が10代後半にして身についている。尋常ではない器……地下闘技場のあの治安悪い感じ、シャーリンの趣味だったんだとラストでわかるのおもろい!実家をビフォーアフター! ジョンジョンもシャーリンに愛されてたんだね~~最後また雇ってもらえてよかったね~~いいのか知らんけど。彼女のモチベーションの種類というかやりくちは兄とかなり異なるという所感があった。息子のほうがママ似で娘のほうがパパ似なんだろうな、性格も(設定上)顔も。
リングを手にしたときにそれを世のために使うこともできたがウェンウーは権力のために使った…というメンタリティにシャーリンは比較的近い。イザとなったら躊躇わないし、自分の国をつくることに興味がある。シャンチーにはたぶんあんまりない。あったらホテルマンハッピーライフをしない。

(追記:いやまあ……シャンチーはいい子でいいやつだけども、シャーリンにとってはシャンチーでさえ「自分を捨てて一人で逃げてった、一番つらい時にそばにいてくれなかった身内」……シャーリンには本当にたぶん誰もいなかったし、かなり小さかったから母親の記憶もシャンチーより薄いはずなので、誰も信じずにカミソリみたいなメンタリティの自立心を育てたのは当然だしそれを完成させて生き延びたのはメチャクチャ立派だよ……シャーリン……テンリングスの頭が兄貴よりキミに適性があるのは因果だけど当然だよ…… シャンチーは一応もう一回くらい妹にちゃんと謝ったほうが今後のためによいと思う)

あと「主人公」は明らかにタイトルロールのシャンチーだから、主人公としての物語的優遇は当然にシャンチーの上にあるけれども、それ以外ではシャンチーとシャーリンの兄妹は意外と平等に扱われていた気がしてそれはすごく良いと思った。
ペンダントもふたりとも持ってるし、竜の上にはふたりとも乗れるし、戦装束はちゃんとふたりのがあるし(あれどうしてシャーリンだけ白いの?白が好きな子供だったの?)、叔母さんだって同じようにふたりをちゃんとケアするし、父親が自分の能力を継がせるシナリオを(一つの選択肢として)想定していた相手はシャンチーだったしあの殺し屋教育についても大いに待遇は違ったというのはあるが(ここも後述)……でもふたりとも竜に乗れるから、ウェンウーを止めに行っていたのはシャーリンでもありえなくはなかったのではないか。もしそうだったら、最後に父親に突き飛ばされて命を守られ、ほほえまれ、リングを渡されたのはシャーリンだったと思うのだ。

1000年前の中国の男に期待しすぎ?ご長男がやっぱり特別?そっか~~~~~……

ウェン・ウー、大人たちと子どもたち

映画視聴後にYouTubeで予告編を見たが、論調にいまいちぴんとこなかった。おそらく字幕の訳出が映画本編と違ったのが大きいんだけど……非情な父親!煽りとかテンリングスという組織へのフォーカスがやたら多かった気がするけど、マーベルファンにはそのほうがしっくりくるのか?徹頭徹尾、生き死にと家族と友達の話に思えたけど…つまりとても内向きなというかね 「悪に染まった父親が世界を脅かす」というけど、世界を脅かす目的は少なくとも映画本編内のウェンウーにはなく「魂の恋人が助けを求めているから救いたい」「そしたらまた会えるし家族も元通りになるんだ」という超ドメスティックなグランドデザインしかなかったように見える。
成人した子供に5~7歳の物語の続きをやらせる(元通りにする)、手元に置いておくなんて無理だしほぼ虐待なんだけどね。覆水盆に返らず、大きくなった子供は永遠に小さくならない。ウェンウー、こどもの自己を見誤ったり認めなかったりする度合がキツすぎて、2桁以下の年齢の人間の発達のぐあいをイマイチわかっていないふしがある。そんなところでスケール感とち狂った仙人ムーブすな、『しをちゃんとぼく』か(しをぼくはおもしろいからみんなよんでね)

[第1話] しをちゃんとぼく - T長 | となりのヤングジャンプ


組織を駆って武力であちこち平定してきたことを「悪に染まった父」というならそうかもしれないが……しかしこれは唐人街探偵でいうところの原罪的完全犯罪に近いものだろうし(唐人街探偵で説明しないで)やっぱりどうもしっくりこない。


ていうかさ~~~~~でもさ~~~もう~~~~~~ウェンウー周りでボロボロに泣かされたよ ウェン・ウーの面差し、とんでもない魅力があるな何だこれ目が離せんのやがと思っていたがとんでもない大物俳優なんですね……
まず冒頭数分のキャッチ力が強かった……イン・リーさんとウェン・ウーの踊るみたいな戦闘シーンのあまりのうつくしさ 柔よく剛を制すという言葉そのもののような(ター・ローは全員等しく戦闘員なのがいい)
イン・リーさんが「若い女!!」って感じじゃなかったのがかえってよかった……かっこよすぎ 異能力持ちの2人、戦士の2人がお互い以外の全部を捨てて弱っちい人間になっていっしょに年を取って死のう、どんな罪も置いていこう、罪深いことは二度としないで、ふたりで、子供をつくって家族を増やして幸せに暮らしていこう……って決意、ありふれた誓いなのに何より重たくてしかし気安くすらあったんだなあ。だってムチャクチャ無鉄砲で無分別だよそんなの。「若さゆえの無茶」で片づけられるようなそれを若さという起爆剤ゼロでやるには別の物凄い起爆剤が必要で、それがとんでもないamountの愛だったんだ……ウェディングフォト、なんなら妻のほうが少し背が高くて、ニコニコしながらハグをして、その写真がずっと置いてあって……思い出はあまりにも色鮮やかで、白黒の写真には写しきれない……べよべよに泣いていました既に

ウェン・ウーがイン・リーを愛する気持ちの重さと強さと種類は、奪われた悲しみと憎しみは誰かが(実子でさえ)ついてこれるような、わこつことができるようなものではなかった。イン・リーが死んだからこそ再びリングを嵌めなおしたわけだが、それは過去の自分たる”テンリングス”への復帰/生涯唯一の伴侶が奪われた未来への復讐としての武力への回帰を意味している。ただしそれは同時にイン・リーのいない永遠を自分は続けるという選択にもなってしまう。つら………てか、永遠の命が着脱式なの、手軽だな……選択の自由がある分つらいかもしれないが……

(追記:元々ふたりは駆け落ちする予定ではなくウェンウーは一緒にターローの村で暮らすつもりだったんだよね 彼女の生活や、彼女が育った場所を知ってそのなかで暮らしたいし無理に連れ出したりしたくないとかもあっただろうけど当初のテンリングスとしての目的「ターローへ辿りつく」とも両立するからなあ そういう色気がまったくなかったわけじゃないかもしれない。でもその色気を叩き潰されてもインリーの愛を請うた事実がウェンウーの真実をやっと示したのであり、あるいはその瞬間に初めてウェンウーがインリーにひざまずいたことが真実の表象になったのかもしれない。そして同時にインリーにも「捨てて示す愛」が生まれてしまったわけだけど………)(恋人としてはウェンウー、めちゃくちゃキュートで誠実でまっとうなんだよな……)

他マーベル作品を見ていたらもっとよくわかるのかもしれず、今から述べることは完全にお門違いかもしれないが、直感的にここまで考えたところで、一定の疑問が出てきた。”なぜウェンウーは”テンリングス”の方面にふたたび走ったか”、”なぜ息子に殺人技術を仕込んだのか、”なぜ娘は訓練を禁じられたのか”あたりのありふれた疑問なんですけど。

まず断っておくとウェンウーがシャンチーとシャーリンにやったことは虐待とは思ってる。対話がないから。この「子供の話聞かなさ・自我認めなさ」はマジ擁護不可能。子供を愛してるのは確実に愛してるんだけど……
2人は日々が苦痛で嫌で嫌で逃げたわけだし……シャンチーは日々殺人技術を仕込まれたことが、シャーリンはそれを許されなかったことが、(皮肉にも、同じことに対する作為と不作為の関係)抑圧として働いた。カンケーないけど、
シャンチー「ここから出なくちゃ!」
壁「どばごしゃん」
シャーリン「前に家出したときこっから出たんだ~」
にウケすぎたし、殺人仕事のために外出自体の許可は出ていた状態で逃げたシャンチーとは違ってひとりで実家の敷地から逃げだすところから始めなきゃいけなかったことのつらさと過酷さも思った シャーリンはっょぃ 強くさせられたのだ……ジョンジョンテメエシャーリンのケイティになれんのかよ(歯をむき出して威嚇する顔文字)

話を戻すとイン・リーが殺され、その復讐のカチコミに幼いシャンチーと出向いた時、ウェンウーはシャンチーに「血は血で償わせなくてはいけない、手伝ってくれるか?」と聞く。シャンチーはうなずく。
なんか……たぶん……これもしかして原因……?殺人マシーン教育の開始の…? 親子でお母さん殺したやつ絶対許さんてあのときいっしょに決めたもんね……くらいの同意と承諾が取れてるスタンスでウェンウー進めてないか……??
「お母さんを思い出すからシャーリンのことをまともに見られない」は真実で、「お母さんは子どもにそんなことさせたがらないからシャーリンは戦っちゃダメ」「でもシャンチーは手伝うってお父さんと約束したから例外」なのか……?(女だからシャーリンは学ばせてもらえなかった……とは違うのかなと思ってる 最後女たちの戦闘部隊をシャーリンがつくってるのはアツいけど)
殺人技術を身につけさせながらも傷を手当てし勉強しろといい、立派な大人になれと説いたあの”親の愛”、殺人訓練をつけるのはシャンチーに頼まれたからだと思ってるまである……??もうわからん……「親」という存在に対して描写が甘い(雑ではなく甘やかすの意味の甘い)ということなのかもしれないが……でもひどい親ってひどいだけじゃなくて優しいことあるし子供を愛していたりするのが特に厄介だったりするしな……少なくともシャンチーも(シャーリンも)お父さんがこわかったけどお父さんを嫌いになることはできなかった……

当時10歳にもなってない子供に「おまえは見ていただけで母さんを守らなかった」ってそりゃねえよ~~だし、自我の未発達な子供がお父さんに手伝えと言われてうなずいたから約束しただろってのもキッツいし~~……ウェンウー、幼い子供の能力と理性を信じすぎなわりに子供の自我をあんまり認めてないの、やっぱり年齢感覚がむちゃくちゃなんでは…………ウェンウーにしてみれば家族が自分と同じテンションでイン・リーを求めないことこそ信じられないし許せなかったんだろうけど……
「息子をこんな殺人マシーンにして母さんがあんたを愛してくれると思うのか!」ってシャンチーの言葉がどれだけクリティカルな矢だったことか シャンチーがあれを言えてよかったよ……死に逃げされたらもう言えないからね~~ (これはシャンチーが母が自分を愛していたことは曇りなく信じていられた証明のセリフでもあり……)

ていうかケイティに関してウェンウーが「彼女か?」みたいなイジりしなかったのパッと見好印象だったけどあれも7歳の子どもと25歳の子どもの区別があんまついてないのでは?? 

家族が揃ったらテンリングスを立て直そう、というのは、家族を守るにはやっぱり武力が必要だ……というウェンウーのアップデートした方向性なんだろう。
焼き払えと言っておきながら、いまから焼き払うはずのターローの中にあるインリーさんの遺影にそっと手を合わせる姿にベロベロに泣いた。(追記:手を合わせてる時点でウェンウーはインリーのことほんとはわかってたんだろう、それでも彼女が助けを呼ぶ声を絶対に無視したくなかったんだろう……ってフォロワーが言っててもっと泣いちゃった ウー……)

ウェンウーは父親にはなれなかった……恋人にしか夫にしか……と思ったら……最期のときウェンウーは父親だった。あれで免責すべきじゃないとわかってるけど、最後リングの力をどんな風にも使えたのに、よけられたのに、自分よりでっかく育った反抗的な息子を守って笑って死んだよ あのとき自分が妻の声に騙されたことに多分気がついただろうけどそこでシャンチーをみて笑って自分が子供へ渡せるものを渡したのはあのときウェンウーは父親だったんだ……シャーリンにも見てほしかった………

あとさ……まともな大人と言えばさ……ナン叔母さんがいいんだよな……初めて会うはずの甥と姪を真っ先に抱きしめて、わずかな時間を最大限に使って2人がいちばん傷ついてきたところに対して必要なケアをして……… 
(でもなんか 大人はまともでいなきゃいけないし子供を脅かしちゃいけないんだけど どうしてもまともでいられないこと、まともでいられない気持ち、ケアされるべき瞬間が大人にだってあることも忘れたらいけないよな……とも思うんですよ……)

その他(枝葉末節)

・イン・リーさん、シャンチー、ナン叔母さん、美しいロンド・ジャンプ・ア・テールに始まり繰り出される武術、太極拳モチーフ?が娘からその子供へ受け継がれた型なんだなあ~~
・しかしすべての異能を村に置いてきても子供をかばいきってそこそこの数の敵は殺せたっぽいインリーお母さん素の戦闘力からしてパないよ この親にしてこの子あり「父を倒せたのは母だけ」 せやった
・ケイティとシャンチーとシャーリンにがっつり尺さいてもっとこう規範とかイヤな家族とかそういうものをどう考えて乗り越えていくか……みたいな話見ていたい
・モーーーリス ふわふわのモーーリス ターローへ入ってからこっちずっとハリーポッターとかナルニア国の世界だったな ごりごりのファンタジーだった 
・家族に「マーベルの新しいやつみたよ」って言ったら「テンリングスの伝説だっけ?」って副題の方で聞かれたのでたぶんイッテQのこと謎解き冒険バラエティーって呼ぶ人種だと思う
マクベスおじさん、あれだけキレキレギャグの展開し続ける世界で電波系コメディリリーフをつらぬけるのは大才能だよ
・あの…電車の車両と車両のあいだのびよびよみたいなので繋がったああいうデッカイバスってふつうなの?すごいね 右左折にバカテク必要そう


また見に行く~~~………悪文にお付き合いくださりありがとうございました。